てのあるほうへ

今日のWOWOWぷらすとは、「人形アニメーションの父を語る」。

人形アニメーション作家の真賀里文子さんをお招きして、人形アニメーションの父、持永忠仁さんについてお話しました。

今回、WOWOWで放送される番組『ノンフィクションW 人形アニメーションの父・持永忠仁の約束 〜未完のシナリオが繋ぐ日本と中国』を題材にお送りしたのですが

このドキュメンタリーが、このごろ感じていたこととリンクして、本当に心がゆらされました。

なんだか、同じ景色を見たいと思えるひとがいるというのは、信じられないほど尊いことだと思っていて。

わたしにも、いつも見たい景色があって、頭をひねるたのしさはあります。だけど、そこにはいつも、人と分かり得ないさみしさも同居しています。


持永忠仁さんは、同じ景色を見たいと思う人と出会えました。そして、同じ景色をアニメーションで作ってきました。

きっと、共に作り上げたその景色を見たときは、生きる世界が手に取るように見つけられたような思いになるのではないかと思います。

ことばにしきれないそれが、可視化し、そのうえ誰かと共有できたときのしあわせ。想像しただけで涙が出ます。

今回のドキュメンタリーは、その夢が叶わなかった未完のシナリオが大きな軸になっています。

持永さんの手によりシナリオが立体化されなかったことは残念ですが、このドキュメンタリーをみると、もっと、その先にあるものを感じることができます。

持永さんの手のぬくもりが、国境も、時も、ことばも、なにもかもこえて伝わるときがくるかもしない。

その希望は、わたしが、自分のできる方法でみたい景色を形にしていくことへの誠実さを貫く勇気になりました。

真賀里さんと、ことばを交わすことができたことで

見たい景色を見たいとおもっていていいのだ、とおもえ、心底しあわせでした。

本当に、思いの募った回となりました。

本当に、本当に、ありがとうございました。

わたしの持つこの十本の指、

届かせたいところまで、めいっぱい触れてゆきます。