隣ゲル

風邪をひいて弱ってる時のポカリスエットのにおいがした。

芝居中、泣いたときの話。

弱ったときのやさしさは、イオン飲料的な浸透圧がある。

自分の体内の浸透圧にちかい、染みるというより、馴染む、そういうかんじ。

そういう、においがした。

自分が思ってるよりずっと、この世はやさしかったり、信じてよかったりする。

自分の体内に、ここにとどまっていれば平和だけれど

失うものはないけど。

失ったとしてもとりもどせる

浸透圧のちかいものが、体外にもあるのかもしれない。

涙が身体からあふれてでても、ポカリスエットみたいに、また元に戻してくれるなにかが、

もしかするとあるのかもしれない。

なんだかそういう、においがした。