とおのきおく

ハロープロジェクトキッズが、デビュー14年を迎えたことを知る。

何にも関係なさそうで、実はわたしにも思い出深いのは

わたしもこの秋で、芸歴14年をむかえるから。

14年前のきょう、テレビの前で、ハロープロジェクトキッズの合格者発表をかじりついて見ていたこととか

ともだちが一次選考に受かったとき、オーディションを受けなかったことをちょっぴり後悔したこととか

それでも、夏に出ることに決めた、こどもミュージカルの稽古に励んでいたこととか。

そうそう、それはわたしの人生初舞台で

人生で初めて努力、というのをしなくてはならなくなった経験だった。

技術も経験もゼロ
開脚もターンもなんにもできないわたしが

こどもながらにスターな人たちの中に混ざって同じ場所にいなくてはならなくて

できることからやるしかなくて

毎日ひたすらにストレッチをしたり
家で踊りの練習をし続けて。

そうしたらあるとき、振り付けの先生が
センターに抜擢してくれて

努力は叶うんだってこと、

からだで、こころで、感じたのは、今でも忘れられない。

その秋に事務所に所属して、
この道を歩き始めるわけだけれど

あのとき先生がくれたチャンスの煌きみたいなものが
今もひっそり照らしてくれて
それで14年も続けてこられているような気がする。

そんなこと、思い出した。

このみちを歩いているわたしと
そうじゃないわたし

両方いたのが14年前で

ちょうど今頃が、その境目だったようにおもって

何かへ向かうときの、疾走感や風速を
丸ごと思い出した。

いま、また少し、
別の、でも何か、そんな、風を感じることがある。

きっとまた生まれる。

はじまりは、なんどもあたらしく、来る。

あのときとはすこしちがう、煌きを

また生み出せるわたしになれ。