15のよるのことでした


ひさびさに

まっくろで、からっぽで、でもなにかに満ちたよるをみた。

めをつむるとそこは星空に似てて

宇宙の孤独に似てた。

こどものころ、砂壁の天井の部屋を真っ暗にして寝そべり

懐中電灯をそこに当てて

ひとりプラネタリウムごっこをしたことを思い出す。

光が当たると砂壁の中の砂つぶはキラキラ光る。

何もなかった部屋に、わたしだけしか知らない輝きがみつかる。

それがだいすきだった。

きょう、ひさびさに、まっくろな夜を手に入れた。

近くにあったことに気づいて、わたしはすこしほっとした。

あかるさは、わかりやすさで

日々を生きやすくするにはそれが必要で

日々をこげるようになったこと、うれしくおもってたけど

波にのまれている大切な感情がある気がしてならなかった。

だけど、今夜、みつかって、わたしはさみしさにほっとした。

砂壁のキラキラをみつけたみたいに、わたしだけの孤独をまた救い出したから。