拝啓 関森絵美さま

拝啓 関森絵美さま

8月14日を迎えた時、なぜかわたしはすこし
心もとないきもちでした。

なんでだろうね。

そわそわどきどきしていたのよ。

すこしこわかったのよ。

あなたのお誕生日、そしていよいよ訪れた単独ライブの日が。

家を出るのもなんだかギリギリになってしまって

なかなか会場に着きたくないみたいなきもちになってた。

会場の前で、わたしの大切な人たちと待ち合わせをして

この日に来るまでに出会った人たちのお顔を見て

結婚式の日の父親みたいなきもちになった。

なんでだろうね。



ライブがはじまってそこにあらわれたあなたは

大地を踏みしめて

これまでの30年を踏みしめて

「今」に立っていたね。

『人間30聖誕祭』と名付けた今日の日

30年前に、あなたの知らぬ間にうまれおちたあの日から

歩いてきて、生きているって知って

きっと今日、
自分でたしかめてまたここに生まれたのだな、とおもいました。

自分で、うまれる。

自分で、生きる。

それは、誰かと生きていることを認め、許すことなのだなあとおもいました。


うたに、ライブに込めてくれたたくさんのこと

たくさんたくさん

あふれるくらい受け取りました。

わたしは、自分まで祝ってもらっているみたいなきもちになりました。

だからすこしこっぱずかしくて
でもこころが震えて、。

それでこんなにも不思議なきもちだったのだなあ、と合点がいきました。

たいせつにおもうひとがうまれた日

わたしもまた、うまれました。

であえてよかったね、は

うまれてよかったね、なんだね。

ほんとうに、ほんとうに、ありがとう。



今日までたどり着いたこと

ほんとうに、ほんとうに、おめでとう。

あなたは大地みたいなひとだから

きっと、大丈夫。

わたしも大丈夫っておもえます。



あなたのあるくこれからを

たのしくみつめるひとりでいます。

これからを、こころからありがとう。

福永まりか