うずみし、

プロペラ犬『珍渦虫』

全18公演、無事に遂げました。

ほんとうにありがとうございました。

すべてを終えて舞台を降り、役柄を脱ぐと

ああ、わたしはとんでもない場所に居たんだな

ということをまた、ありありと実感して、ヒリヒリしました。

それくらいわたしには挑戦的な場所で
だけど、だからこそ、そこを飛び越えて

ただただひたすらに作品の中に居ることに集中することしかないな、と、

毎日かみしめる13日間でした。

そういう"真ん中"に返してくださる、共演者のみなさん、スタッフのみなさんがいて

18公演を、毎回、気持ち新たに踏めた気がします。

初めてお会いしたときから、最後まで

人として、それぞれの役割として
ほんとうにすてきなひとりひとり、そしてチームでした。

その真ん中には、
水野美紀さんの身体中をうずめている、無限の"それ"がありました。



きっとおおくの物語は"それ"の話をしていて

信じている人、信じていない人

信じようとしてる人、信じまいとしてる人

いろいろが交わりあって

それでも生きています。

わたしはいつも、"それ"に困っているし

もしかして、だから、こうして芝居をしているのかもしれません。

人へ、だけでない

わたしにまつわるすべてへの

そして
わたしにまつわるすべてからの

"それ"が叶うことはとてもむずかしいから

こうして現実を超えようとしているのかもしれません。



『珍渦虫』に生きるわたしは

"それ"を、あるがまま

そのことばがうまれるべくしてうまれたときのような

しなやかさ、やわらかさで

みつけだす瞬間をすごさせてもらいました。

そのことが、ほんとうにしあわせでした。


たくさんのみなさまにお越しいただき

ほんとうに、ほんとうに、
ありがとうございました。


このさきも、何度でも何度でも

"それ"に困って、困り果てて

芝居をしていこう、と、おもいます。